《新藤まなみ》
新藤が絡む、
朝の光のなかで、
一枚の葉が息をひそめている。
——風に聴こえる、
誰かの名。
まなみとは、
海の胸の際に立ち、
指先で潮を数えること。
波が零す、
銀の秒針。
彼女の影は、
カメラのレンズを通り抜けて、
芝居の中の芝居へ。
涙の位置を、
地図に記す。
ときに戦場の花になり、
ときに江戸の煙草の煙。
髪を振るたびに、
時代が微動する。
鏡を見れば、
まだ新藤の芽。
でも、
眸の奥に
千の波が眠る。
——まなみよ、
芝居が終わったら、
本当の海へ行こう。
誰もいない夕凪を、
ふたりで歩こう。
(中国語版)
《新藤真奈美》
新藤缠绕,
在晨光里,
一枚叶子屏住呼吸。
——风传来,
谁的名字。
真奈美,
就是站在海的胸口,
用指尖数潮汐。
浪撒下,
银色的秒针。
她的影子,
穿过镜头,
走进戏中之戏。
把泪的位置,
标在地图。
时而做战地的花,
时而做江户的烟。
一甩发,
时代微微震颤。
照镜,
仍是新藤的芽。
可眼底,
睡着千重浪。
——真奈美啊,
戏落幕,
我们去真正的海。
并肩走过,
无人的夕凪。